ごあいさつ
岐阜県小児科医会 会長 加納 正嗣
この度、岐阜県小児科医会会長に就任いたしました加納正嗣でございます。 羽島市出身で岐阜高校・岐阜大学と進学し、昭和62年に岐阜大学小児科に入局しました。翌年に大学院に進み、信州大学生化学教室に国内留学を経て、平成4年に博士号を取得しました。以後、県立岐阜病院(現:岐阜県総合医療センター)・郡上中央病院(現:郡上市民病院)勤務ののち、信州大学第1病理学教室で委嘱講師として勤務し、腎臓病理の勉強をしました。その後、多治見市民病院・市立美濃病院・羽島市民病院で勤務をしながら、岐阜県学校保健会心腎疾患対策委員会にて学校検尿実態調査を担当し、さらに岐阜県医師会の学校腎臓健診委員会で岐阜県方式学校検尿システムの構築に関わってまいりました。2016年に学生時代からお世話になっていた先生のクリニックを継承し、あかなべキッズクリニック院長として、診療しています。
最近の小児を取り巻く医療・保健・福祉などの状況を考えますと、生育基本法が施行され、子ども家庭庁ができ、少子化対策が叫ばれるようになってきた昨今、変革期に入ってきたように感じています。子供をBio-psycho-social well-beingにすることを目標にされています。単に生物として健康というだけでなく、精神的にも、社会的にも良い存在にしていかねばなりません。そのためには、診察室で診察しているだけではだめです。もっと積極的に能動的に働きかけることが必要であると思われます。小児科医会は医師会・行政と共に行動し、実現していきたいと考えています。例えば、HPVワクチンの接種率の向上です。世界的には多くの女児が接種をうけています。当然、日本の女児も接種を受けるべきだと思いますが、現実には低迷しています。咽頭癌予防の目的で男児にも接種を勧めるべきとも思っています。さらに、乳幼児健診の充実も重要課題だと考えています。先ずは1カ月健診・5歳児健診が県内すべての市町村で実施されるように働きかけることが出来ればと考えています。ほかにも多くの課題があると思います。出来ることを少しずつ進めていくことが肝要であると考えています。どうか、御指導・御鞭撻を頂けますようにお願いいたします。
令和6年7月吉日 岐阜県小児科医会会長 加納正嗣